【ミステリー】ウィリアム・ケント・クルーガー 『ありふれた祈り』

【ミステリー】ウィリアム・ケント・クルーガー 『ありふれた祈り』

【概要】

◆ だいぶ前の、その年のベストミステリー系のランキングで、上位に入っていたけれど、
   なぜか、読みそこね、ここ数年で、図書館で2回ほど借りたのに、後回しで読みそこね、
   やっと読みました。
   いま、このタイミングで読むべき本だった、そういう印象です。
   (あくまで、個人的な問題と関係しています)


アマゾンの内容紹介から。 1961年、ミネソタ州の田舎町。13歳のフランクは、牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉や聡明な弟とともに暮らしていた。ある夏の日、思いがけない悲劇が家族を襲い穏やかだった日々は一転する。悲しみに打ちひしがれるフランクは、平凡な日常の裏に秘められていた事実を知ることになり…エドガー賞をはじめ4大ミステリ賞の最優秀長篇賞を独占し、「ミステリが読みたい!」で第1位に輝いた傑作。

著者について

ウィリアム・ケント・クルーガー
1950年生まれ。オレゴン州で育つ。さまざまな職を経て1998年に発表したデビュー作『凍りつく心臓』でアンソニー賞・バリー賞の最優秀デビュー長篇賞を受賞。2013年に発表した本書は、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)、バリー賞、マカヴィティ賞、アンソニー賞の最優秀長篇賞を受賞した。主著に『煉獄の丘』や『血の咆哮』など、元保安官を主人公にしたコーク・オコナーシリーズがある。現在は本書の姉妹篇であるThis Tender Landに取り組んでいる。

ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

【ここがポイント】

■1.わたしには怒りと縁を切る覚悟ができているんだよ、フランク。永遠に縁を切る覚悟が。

  父、ネイサンの言葉です。
  家族にとって、大事だった親友を喪ったときの言葉。
  なぜ喪ったのか?

■2.おまえは僕の一番の友達だ。ジェイク。世界一の友だちだ

   私(フランク)は、吃音症のジェイクといつも一緒です。
  フランクは、13歳で、大人への入り口に入り始めていて、親も弟も好きだけど、でも、反発も
  始まっている。
  姉だけは、いつも特別な存在だったのですが、
いくつかの事件をきっかけに、
  徐々に、弟を認め、大事な存在と気づかせます。

■3.逃げられないものがいくつかあるんだ。

     自分であること。自分でああることは捨てられない」

 弟ジェイクの言葉です。 
 このあと、「ぼくはこれからもどもる。みんなはぼくをからかうだろう。ときどき自殺したほうがいいんじゃないかと思うよ」 
 と続きます。
 ある事故をきっかけに、この家族はつねに「死」をいしきするようになります。それは、大事な人の「死」もありますが、
 つねに「自分の死」も意識しているのです。


■4.真実がわかってよかったよ。だけどわからないほうが良かった気もするんだ。    
   わかったからって、なにかがよくなるわけじゃないんだね

   家族を苦しめた大きな悲劇のうちのひとつがわかったときのフランクの言葉。

■5.知るものは苦しまなければならない。

     眠りにあっても、忘れられぬ苦しみは心に滴り落ちてくる。
     我らの絶望に我らの意思に反して神の恐るべき恵みによって叡智がもたらされるまでは

 上記4に対し、父がフランクにかけた言葉です。
 昔の劇作家、アイスキュロスの言葉だそうです。

   眠りにあっても、忘れられぬ苦しみが心に滴り落ちてくる:いまはそんな状態です。

■6.7回の70倍まで。ぼくたちはそれだけ罪をゆるすことができるんだ

 家族を苦しめた、大きな悲劇の真相がわかったとき、ジェイクが言った言葉。

【感想】

◆作中の人物がありありと浮かんできます。

  ケネディの時代、デル・シャノンの悲しき・・、リタ・ヘイワースとかそのような時代の
  ミネソタの話です。
  人物が魅力的で、いわば、「立っている」キャラクター揃いです。
  ミステリーというか、デニス・ルヘイン(ミスティック・リバー)やトマス・H・クックのような印象だった。

ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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夏草の記憶 (文春文庫)

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【おすすめ度】

 ★★★★(4.0)(5段階評価)

ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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